高校時代、正月深夜に放送されていたのを観て以来、一番好きな映画です。10年ぶりくらいに観直してみました。
カッコイイアクションも、綺麗な風景も、あっと驚くどんでん返しもないし、思い出補正が強いのかもしれません。でも、とにかく好きなんです。
自分がすごした時代とは違いますが、ノスタルジーを感じる、街並みや会話。
主演のナインティナインをはじめ吉本の芸人さんが多く出演されていて会話のテンポが気持ちいいし、硬さがなくすごくナチュラルに聞こえます。関西弁がメインの映画を観たことがなかったのですごく新鮮に感じていたのかもしれません。
ストーリーも大きな起承転結はなく、やられたらやり返すのケンカに明け暮れる毎日を繰り返しているだけです。でも、その日々が永遠には続かないことをうっすらと描写しつつ、でもやっぱりなんとなく続いてくれそうな気持ちになるラストが良いんです。
これから先、どんな良い映画に出会っても、思い出補正の壁は高く、岸和田少年愚連隊が一番好きな映画でありつづける気がします。
『ダイナー』 平山夢明
前回読んだ『独白するユニバーサル横メルカトル』がすごくハマったので、またもや平山夢明作品を読んでみました。
これまたすごく面白い!僕は集中力が人よりかなり劣っているので、どんなに面白くても100ページ程度の一気読みもほとんどできませんが、これは後半からラストまで一気にハマって読みました。著者得意のグロテスクな描写がすごくイキイキしているし、ボンベロが作る料理の描写もよだれが出そうになります。
主人公オオバカナコの視点とそれを通して見える各人物の描写も丁寧でとても読みやすい。ストーリーも次々にダイナーに来る客が、どんな殺し屋なのか気になってどんどん読み進んでしまう。
とても良い作品に出会えました。