i ひとりごと!

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ベニーズ・ビデオ

『ベニーズ・ビデオ』 ミヒャエル・ハネケ/1992年

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高校時代にゴーイングステディ、解散後は銀杏BOYZを熱心に聴いていました。

特にボーカルの峯田さんから多大な影響を受けており、彼のブログに載っている音楽、映画、小説、漫画など色んなジャンルの作品を見聞きしていました。

ミヒャエル・ハネケ監督も峯田さん経由で知りました。

初めて観たのは『ファニーゲーム』。こんな徹底的に救いを排除した映画があるのかと驚愕しました。グロさから感じる残虐性ではなく、観客が願う希望をとことん裏切る残虐性は、かなり攻撃的な映画に感じました。

そして今回、『ベニーズ・ビデオ』は2つ目のハネケ作品となりました。

たった2作品しか見てませんが、個人的感想として、ハネケ監督の映画は映像美、芸術性を追求した映画ではなく、メッセージや問題提起に重きを置き、それに必要な映像を撮る方なんだろうなと感じました。

 

1992年の作品ですが、現実と空想の世界の区別が曖昧な人間、またそういった人間を作り出す環境の危険性を映し出しており、これはゲームやドラマなどの現実から一歩隔てられた世界がより身近になっている現代社会に通じる問題ながら、それを20年以上昔に映画として作り上げたハネケ監督の感受性って凄まじいものがあるなと思いました。

あ、もちろんゲームが悪、ドラマが悪、空想が悪というわけではないです。子供を除いて、それらと現実を分ける・分けられないは自身の責任なので。

 

まだまだ未視聴のミヒャエル・ハネケ作品がたくさんあるので、いずれまた観ようと思います。

 

 

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