i ひとりごと!

観たもの、読んだもの、体験したことの記録

小説

 

読書量は少ないながら、好んで読む作家さんが2人います。
ひとりは大槻ケンヂさん。
神菜、頭をよくしてあげよう
 
まず文章が読みやすい。そして大槻ケンヂさんの人となり・優しさが滲み出ている。
大槻ケンヂさんのは小説よりエッセイの方が好きです。隣で話しかけてくれているような気分になり心地良いです。
大槻さんの文中に出てくる、音楽や小説、映画をメモして、よくTSUTAYAに行ってました。彼の感じた感覚を僕も体験したくなる。そんな文章です。
面白くて笑えるのにいつの間にか泣ける話。よくある評価ですが、それに値する最たる人物かと思います。
 
 
もうひとりは町田康さん。
告白 (中公文庫)
 
大槻ケンヂさんもそうですが、町田康さんも、元はバンド出身者。
町田町蔵名義で組まれていたバンド「INU」は、僕にジャパニーズパンクの禍々しさ?怨念?を感じさせてくれました。というか、学生時代、ヘッドホンをして初めて「メシ食うな!」を聴いた時、頭がぐわんぐわんして目眩がしました。当時10台にもかかわらず、あんな歌詞を書けるなんて、ものすごい才能があるんだと思います。
簡単に天才天才というのは天才の価値を下げてしまうことになると思いますが、町田康さんはまさしく天才だと思います。
メシ喰うな
 
そんな町田さんが書く文章は、文字が踊り出しているかのような、というか狂い出しているような、リズムに乗った文章で、うねうねくねくね悶えているようです。
 
「告白」は河内十人斬りをモチーフにしていて、人を殺すに至る熊太郎の心情が、その独特の言葉、リズムで綴られています。
数少なではありますが、自分の中で人生のTOP3に常に入る小説です。
テーマやストーリーを飲み込んで暴れ狂う町田さんの言葉は凄まじいの一言です。
 
 
神菜、頭をよくしてあげよう

神菜、頭をよくしてあげよう